2008年8月 1日
僕は元気なガン患者
- 紹介者:
- ザ・プロジェクトマネジャーズ編集部
- 出版社:
- 医療文化社
- 著者:
- 角 行之
- 発行日:
- 2008年5月21日発行
- 価格:
- 1,785円(税込)
本書を読むと何がわかるのでしょう?
たとえば以下の3点ではないかと思います。
1.客観的視点
2.冷静な判断
3.大変な中にも楽しみを見い出す
あれ?どこかで見たような..。
そうです。プロジェクトマネジャーにとって大切な、スキルと行動ですね。
最大の楽しみはゴルフと磯釣りと仕事と豪語する著者は、情報処理国際機構の委員を20年近く続けられ、ライフワークは「世界に通用するITプロの育成」とのこと。
プロジェクトマネジメントで大切なのは、トラブルでもうろたえることなく(ちょっとくらいはうろたえても、早く切り換えて)冷静な判断をすることです。
その秘訣は、土壇場でもユーモアを忘れないこと。
また、大変な中にも楽しみをみつけ、周囲にその姿を見せてあげることではないかと思います。
それを口だけでなく、実践し続けてこられた方の言葉には重みがあります。
「プロの仕事は命がけだから、死と隣り合わせの病との闘いの例がわかりやすいのではないか 、と考えて執筆した。」とは、まさにその通りではないでしょうか?
本書の中でも次のように書かれています。
「よく人ごとのように淡々と書けますね」と多くの方から言われる。
前回の食道癌のときもそうだが意識的に闘病日記を認(したた)めるのには目的がいくつかある。
第一に書くことにより冷静になれる。病を治すのは本人であるし、治療プ
ロジェクトのマネージャーでもある。PM(プロジェクト・マネージャー)が冷静さを欠いたら、そのプロジェクトは絶対に失敗する。
第二は周縁への報告書を兼ねている。
第三は、書くことを前提にしているから、観察眼が鋭くなり、名称や
数値など忘れやすいものを記録する習慣が身につく。一石三鳥だ。
いかがでしょう?ITプロジェクトのプロジェクトマネジメントとしても、非常に実践的かつ具体的ではないでしょうか?
また、”楽しみをみつけ自らその姿を見せる”にあたるのは、著者が「 薮蚊先生」とニックネームをつけたドクターのことを「音もなくスッと来て、チクッと刺して、血を吸ったら、サッと飛んでくからよ」との書かれているあたり。その観察眼と表現力には脱帽です。
パンと紅茶だけのささやかな朝食と仰りながら、ティーバックではなくリーフをジャンピングさせて召し上がっていること、運動不足対策として 愛犬のレンちゃんを飼われたこと、般若心経を英訳なさるなど、まさに楽しみ方の例のオンパレードです。
異色の危機管理読本、人生のプロジェクトマネジメント実践読本として、お薦めの一冊です。
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