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2006年2月 3日

その23 海外編 中国、そしてインド 最終回

今のインドは日本の昭和30年代?

ぷろまねこ

ぷろまねこ
日本の企業人のインドに対するイメージはまだ貧困なんですね。

ドクターPM
その通りじゃ。いまだに牛や象が歩き回って、ごちゃごちゃした国というイメージから抜けられない人も多い。もちろん、インドの一部にはそういうところも残っているのだが、かなりの速度で近代化している。

ぷろまねこ
インドは先端医療でもかなりすごいレベルにあると聞きますけど。

ドクターPM
医療も国際的なアウトソーシングが進んでいて、アメリカで心臓手術を受けるよりインドのほうが安いので、両方を比較して患者がインドの病院を選択するというぞ。ムンバイは東京と同じ規模の金融市場だし、今インドはITだけではなくて、医療や金融についても巨大なアウトソーシング先になっている。

経済的に成功するならITか金融というので、いま求人に対しほぼ百倍の応募者が押し寄せるらしい。自分の技術力を磨いて成功すれば、運転者やお手伝いさんを雇ってまったく違う生活ができる。成功が目に見える世界なのだよ。勉強すればそれが夢ではない。日本と比べてはるかにモーチベーションが働きやすい環境じゃ。

ぷろまねこ
アメリカン・ドリームならぬインディアン・ドリームですね。日本では、何か悪いことをしないと突出したお金持ちにはなれないみたいですし(笑)、勉強や努力が成功に繋がるという実感は弱いですよ。それに、あまり魅力的に見えない成功者も多いですよね。努力してその結果があれじゃあ、ちょっと…いう気分もあります。負け惜しみかな?

ドクターPM
インドに行ってタクシーに乗ったとき、運転手が実に教養豊かなのに驚いた。自分も英語を勉強してガイドの仕事をし、子どもたちの教育にもお金をかけているという。庶民も教育に関心が高いけれど勉強一辺倒ではない。

日本では、子どもたちは休日でも塾に行ったり、大人がコントロールしているスポーツクラブに通ったりしているが、インドでは家族や親戚や友人が集まって楽しむから、そこで子どもたちも自然に人との付き合い方や人間関係の機微を学んでいる。いろいろな大人の話を聞き、振る舞いを見て、人の生き死にや人生に触れることができるのじゃ。

ぷろまねこ
そうですね。親や先生ではない大人との関係って、いまの日本の子どもに欠けてますよね。私のころはまだかろうじて、近所のおじいさんに叱られたりしていましたけど。

ドクターPM
ぷろまねこは知らんだろうが、ちょうど日本の昭和30年代のように、物質的には貧しくても人間関係が多彩で豊かなのが現在のインド。一方で、最先端のオフィスではアメリカのITパークとオフィス環境も設備も変わらない。街に出れば自転車やバイク、オートリキシャが走り回って、雑然としながら活力のある雰囲気じゃ。

ぷろまねこ
その幅の広さが魅力ですね。私も行ってみたい!

人とのつながりを重視するインドの文化

ドクターPM

ドクターPM
中国でも、たとえば上海から郊外に1時間も車で走ればアパレルの縫製をしている地域が広がっている。そのあたりはやはり日本と比べると物質的に豊かとはいえないけれど、大人も子どもも目が生き生きと輝いている。生活レベルが徐々に向上していくし、まだまだわかりやすい獲得目標があって将来に希望が持てるからだろうな。だた、中国は都市部と田舎では経済的に非常に大きな差があることもあって、やはり都会に出て一発当てたいという志向が強いように感じる。あくまでわしの印象だが、それに対してインド人は成功イメージが金銭的なものだけではなくて、スピリチュアルな志向性が強いようじゃ。

現地の技術者に「もし日本のIT企業に行ったら何がしたいか?」と尋ねると、中国人は「一旗上げたい」とか「お金を稼いで故郷の両親にいい家を建ててあげたい」とか答えることが多いが、インド人の場合「ぜひ富士山を見てみたい」「日本企業で新しい経験を積みたい」「日本の人たちとよいつながりを持って仕事で貢献したい」という答えが返ってくる。経験の蓄積や人とのつながりという目に見えないものをより重要視するように感じる。

これは中国とインドと両方に行ってみて初めて感じることのできた違いじゃな。そのへんはこれからも探っていこうと思うが。

ぷろまねこ
なるほど。実は最近、私くらいの世代に、試行錯誤しながら新しい「つながり」を作ろうという雰囲気を強く感じるんですよ。そのへんともシンクロするかもしれません。それは面白いですね。

ドクターPM
インドはまだインフラ整備が遅れていて、旧来のものと近代的なものが渾然としている過渡期だが、文化的にもこれから繁栄するベースを持っているし、日本人が学ぶべきこと、あるいは振り返ってみるべきヒントを非常にたくさん持っているように思うのじゃよ。ぷろまねこもぜひ、一度現地を訪ねて、たくさんの人と話をするとよいな。

ぷろまねこ
休暇が取れないのをぼやいている場合じゃないですね。そういう機会は自分から作らないと…ちょっと画策してみます。

ドクターPM
ストレス発散に菓子を作ってここに茶を飲みに来るのもよいが、ぷろまねこもそろそろ次のフェーズに行くべきじゃろう。

ぷろまねこ
そうですね。実は自分でもうすうす感じていたんですが、なかなか踏み出せなくて…すぐに叶うかどうかわかりませんけれど、とりあえず動いてみます。

ドクターPM
おまえは基本的に素直じゃから、そのまま行けば大きく道を踏み誤ることはないじゃろう。ちょっとおっちょこちょいなところがあるのが心配じゃが…思い切ってチャレンジしてみるがよい。

これからも虚心に知ろうという姿勢を忘れないこと。知る事は楽しいぞ。仕事と人とのつながりから常に学ぶように心がけよ。相手を知るということは、それを鏡として自らをより多面的にそして深く理解し、次の成長課題、次のチャレンジに取り組むベースとなる。それと、金儲けだけ考えている人間からは一定の距離を置くことじゃ。以上をはなむけの言葉としよう。

ぷろまねこ
おかげさまで当面のチャレンジ目標ができました。ドクターに甘えてばかりいないでがんばってみます。

ドクターPM
大丈夫じゃよ。わしの門人なのはこれからも変わらん。いつでも門は開かれている。もっと成長したぷろまねことより深い話ができるのを楽しみにしているぞ。

(終わり)

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