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2006年3月 7日

「インド教育を考える!~経済・ITの最新事情から教育・人材育成まで~」大盛況のインド教育セミナー、気になるその内容とは?

去る2006年2月27日(月)、東京・浜松町の世界貿易センターにて、インドのIT事情や人材育成について考える“インド教育セミナー”が開催された。当日は用意された席がすべて埋まるほどの盛況ぶり。熱気に満ちた会場の様子と充実の内容、そのすべてを3回に分けてお伝えする。

IT先進国として、近年、世界各国から熱い注目を集めている国――それがインドだ。
体系化されたIT教育のもと多くの優秀な人材を輩出し、欧米のIT企業にも数々のトップエンジニアを送り出している。
では、これだけ多くの実績を生み出しているインドのIT事情とは、いったいどのようなものなのだろうか。今回のセミナーではインド経済の最新動向、優れた教育環境、そして、日本のIT企業がインドの人材を受け入れることで広がるメリットなど、注目の「インド」について、たっぷり3時間の講演が行われた。

第一部「インド経済と日印IT業界の展望」

<講演者プロフィール>
株式会社インド・ビジネス・センター
代表取締役 島田卓(しまだ・たかし)氏

国内でのインド・ビジネスに関する第一人者。主な著書は「超巨大市場インド」(ダイヤモンド社)、「2時間でわかる図解インドのしくみ」(中経出版)、「世界の明日 日本の明日を読む」(日本経済新聞社)など多数。他に新聞、雑誌などへの執筆も多い。

<主催>
株式会社アイ・ティ・イノベーション

インドで成功するための「2つの要因」とは?

株式会社インド・ビジネス・センター 島田卓氏

14:00からスタートした第一部は、「インド経済と日印IT業界の展望」がテーマ。少々硬そうなお題ではあるが島田氏の軽妙なトークも手伝って、実に和やかなムードで進行した。

壇上に立った島田氏は、まず、インドで成功している自動車メーカーの社長から直接伝え聞いた、“ある話”を披露。
「社長さんにお会いしたときに『よくもまあ、今から二十数年前に、インドに進出しようと思い切ることができましたね』と問いかけてみたんです。そうしたらその方が『今からアメリカやヨーロッパで勝負をしようと思っても、とても勝つことはできない。でもどこかで一番になりたかった。それでインドに目を付けたんです』とおっしゃった。
……と、ここまでならよくある話なんですが、印象に残ったのが、そのあとの言葉。その社長は続けて『よく女性に入れあげるって言うでしょう。ぼくはねインドに入れあげちゃったの』と、こうおっしゃるんですね。
インドのIT産業がすごいと聞いて進出している企業は多くあると思いますが、僕が知る限りでは、日本企業にはどこか腰が引けてるままビジネスに取り組んでいる姿勢が見て取れます。でも、それじゃ絶対インドでの成功は覚束ない。一時的な野心やビジネス的な損得勘定だけではダメ。インドで成功するためには、なによりインドに入れあげると言うくらいとことんやる、その姿勢が大事なんです」と。

また、その上で人を選び、人材を適材適所に配置することも、重要な「成功の要因」だと語る。
「続けて彼は、となりにいたインド人の元社長の肩に手を回して『この人がいたからここまでこれたの』と実感たっぷりに話してくれました。
きちんとしたステップを踏んで、本当に信頼できるパートナーを選ぶこと。これができていない企業はだいたい失敗してしまいますし、人材選びというのはビジネスの成否を決める、本当に重要な事柄だと思います」
こう話し、まず「インドにとことん入れあげること」、そして「人材を選ぶこと」の重要性を力強く訴えた。

インドの驚くべき経済事情とビジネスのカギ

株式会社インド・ビジネス・センター 島田卓氏

続いて、インドの最新経済事情について、次々と驚くべき事実が明らかにされていった。

日本の大手二輪メーカー4社(スズキ、ヤマハ、カワサキ、ホンダ)の日本国内生産台数が約80万台。一方でホンダの子会社、ヒーロー・ホンダが昨年インドで生産した台数が290万台。その上ヒーロー・ホンダは純利益を250億円も上げているというのだから凄まじい。
また昨年だけで、インドファンドは約4割も上がっている。島田氏の仮説によれば、15年後にインド経済が現在の日本の経済規模になっていれば、インドの株価は約7倍にまで膨れ上がるとのことだ。

こうして一通り、インドの経済事情が明らかにされると、会場からは驚きの声が。
さらに島田氏は「こうした経済発展を支えているのは、やはり人なんですよ」と続け、ホンダにも素晴らしいインド人スタッフがいたことを説明した。

「合弁を組んだ日本側に対し非常に厳しい条件を出す人ですが、一旦仕事を任せると、素晴らしい結果を出してくれるそうなんです。
言い換えれば、最初の段階で、『条件が厳しいからといって契約しない』ではなくて、しっかりその方の能力を見極めて契約した日本側のスタッフの『人を選び、受け入れる姿勢』があったからこその出会いだと思うんですよ。せっかくいい人材がいても、受け入れる日本企業に問題があるとうまくいきません。いかに人が大事か、人と人との相互理解、つながりが大事かということを、私たちがわかってないとダメなんですよね」
こう中盤の話を締めくくり、ビジネスの成功には人の要素が大きく関係してくると、重ねて強調した。

「世界の水平化」を見据え、人材移動の自由を確保しよう

株式会社インド・ビジネス・センター 島田卓氏

続く第一部終盤の焦点は「ビジネスのグローバル化」。国内や欧米だけでなくインドや中国に目を向け、世界的な規模で人材移動の自由を確保することが大切だいうことが語られた。
「現在、世界の人口の約1/3は、なんと中国人かインド人だというデータが出されています。このまま行くと20年後は、日本の働き盛りの人材がインド人の1/16しかいないということになってしまうんです。すなわち20年後の日本人は、インド人の16倍働かないと、今の経済規模を維持できなくなってしまう。冷静に考えると、恐ろしいことですよね」

しかし、この状況を変えられる手段があるという。頭を使い、海外の人材と協力してビジネスを発展させていけばいいのだ。
「アーノルド・トゥインビーさんの言葉に『汗をかいて一番になった人は、もっと汗をかく人に抜かれる。ただし、ブレイン(知)を使って一番になった人は、使い続けることによって一番でいられる』というような名言があるんですが、まさにこの通りだと思います。僕たちは知力・ブレインを使えばいい。人を活用する能力をしっかりと身につけて、有能な人材をどんどん連れてくればいいんです。
逆にこれをしないと、日本はどんどん置いていかれて、極東の一小国に成り下がってしまいます。ここ最近、世界の水平化――World is Flatという言葉がよく聞かれるようになりましたが、世界にどういう変化が起こっているか見極めて、僕たちも変わっていかなくてはいけないんです」
20年後、30年後を見据えて、今から“人材の移動の自由”を確保すべく努力すること。これが日本の経済力を維持することにつながるという。

この他にも興味深いデータや現地の写真がたっぷりと披露され、会場の参加者もすっかり引き込まれた様子。多くの参加者のインドや世界に対する強い関心を感じつつ、第一部は幕を閉じた。

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