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2006年8月10日

【4回集中連載 IT教育の勘所】第2回 プロマネに求められるスキルと研修のポイント

数々のプロジェクトを成功に導き、企業を支えているのが、優秀なプロジェクトマネージャたちだ。ところが、デキるプロマネになる、あるいはデキるプロマネを育成するのは、予想以上に難しい。では、その問題点・課題は、いったいどんなところにあるのだろうか? 業界を知り尽くしたIT講師、森徹夫氏が、「IT教育の勘所」を語る。第2回に当たる今回は、プロマネに求められるスキルと研修のポイントについて解説!

森 徹夫さん

森 徹夫氏プロフィール
森コンサルティングオフィス 代表/Modusアカデミー講師

独立系のシステム・インテグレータ、株式会社シーエーシー(CAC)にて、ロジスティックス分野を主に数多くのプロジェクトに参画し、SE、コンサルタント、プロマネとして活躍。その後、同社のヨーロッパ現地法人社長、ERPソリューション事業部長、SI企画本部長(執行役員)として事業の新規立ち上げ、ビジネス戦略立案、PMO組織の確立などに従事。
2004年に独立し、森コンサルティングオフィスを設立。現在、中堅・中小企業での効果的な情報システム活用を推進するITコーディネータ活動(経営とITのブリッジ役)およびプロジェクトマネジメント指導業務を展開中。
保有資格:技術士(情報工学部門)、ITコーディネータ

力量あるプロマネが育たない―、その理由はどこにある?

森 徹夫さん

IT業界で講師をしていて一番強く感じる問題点が、「力量あるプロマネの不足」です。

それまで技術中心でやってきた人がいきなりプロマネになってプロジェクトを仕切るというのは、実に難しく、高いハードルがありますよね。それなのになぜか、プロマネという仕事についてきちんと教育をしている企業はそう多くありません。また、一口にプロマネといっても、会社によって位置付けや職種内容がまちまちで、多くのプロマネが先輩を見習いながら自己流でこなしているというのが現状だと思うのです。
経験も浅い、実践的な教育もない、その上きちんとしたプロマネ像が描けない。これでは有能な人材が育たないのは無理もありません。

さらに仕事自体も、対象範囲がより一層拡大し、要求も厳しくなってきています。「短納期・低コストの実現」「高品質、セキュリティ確保が不可欠」「システム構成が高度化・複雑化」……。こうしたお客様の要望や外部環境の変化に応えるため日々必死で業務にあたり、自分のスキルについてゆっくり考えている暇もないのではないでしょうか。「このやり方でいいのかな」「もっと効率のいいやり方があるのでは?」、そんな疑問を抱えながらも目の前の仕事に追われ、プロマネとしての能力を自ら棚卸したり、磨いたりすることなく過ごしている人も少なくないと思います。

実際、研修を受けに来るプロマネも、上記のような人が大半です。能力として必要なものをある程度持っているし、マネジメント作業としてやるべき事柄や手順は大体わかっている。それなのに上手くいかず、何が本当の問題点なのかよくわからない。頭では理解しているのに、うまく応用できず悩んでいる。プロジェクトを成功させる真の要因を学び、実践力を向上する機会が明らかに不足しているのです。

デキるプロマネに必要なのは、技術力よりも「人間力」。

森 徹夫さん

では、こうした人たちの能力を引き出すには、いったいどうしたらいいのでしょうか? 効果的な方法があります。それは、あるべき論の理屈ではなく、現場で使える実践的なノウハウ(勘所)を肌で感じてもらえればよいのです。多くのプロマネは、長い経験から多くの技術知識や、プロジェクトを進めるために必要な理論を学び取っているはずです。PMBOKを勉強している人もいるでしょう。それをプロマネとして実務に活かすためにどうすればいいのか、何を優先してやるべきなのか……こうしたことを研修を通じて体得し、「確かにそうやれば成功につながるな!」と実感をもってもらうことが大切なのです。

ちなみに私自身がもっともプロマネに必要だと考えているスキルは「人間力」です。つまり、しっかりとしたリーダーシップとやり遂げようとする強い意志・熱意により顧客の信頼を確保し、さらにメンバーのモチベーションを上げ、活性化したチームをつくることが上手くできる人。技術だけではなく、人間的な魅力や高いコミュニケーション能力を持った人が適していると思います。企業側にとってこのような人材は、いうまでもなく部門管理者に不可欠でしょうが、プロマネにもこの人間的な側面のスキルアップが必要だということを十分に把握する必要があります。わかっているのだが、人がいないため、つい技術屋タイプのS Eをプロマネに・・・というケースが多々あります。プロマネの側でも、技術以外の側面を意識してブラッシュアップしないと信頼されないことをあらためて自覚すべきでしょう。

だからといって、軸となるマネジメント技術のスキルアップもおろそかには出来ません。しっかりとしたプロジェクト計画を立案することの重要性は理解していても、その“効果的な作成プロセス”、特にプロジェクトリスクの計画への反映方法をわかっている人は少ないのです。また、進捗会議を毎週 開催していても、“効率的な進め方、管理のポイント”を理解していない人が意外と多いのです。

次回は、これらのプロマネとして重要なスキルを研修プログラムの中にどのように組み込んでいるのか、また、何に重点をおいて指導しているか・・などをテーマに取り上げましょう。

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