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2007年2月 2日

【新春放談】第四回 2007年、IT業界が明るく元気になるために

2007年は、これを実現したい!

― 最後に、2007年のご自身のテーマ、今年ぜひやりたいことについてお聞かせ願えますか。月並みですけども、新年の抱負ということで。


私は、「IT業界を明るく元気にする」ことが、今年のテーマです。抱負としては、明るく元気にする材料を、この業界の皆さんにどんどん提供していきたいと思います。「現状維持、あるいはその延長上でよい」と考える人たち、つまり明るく元気になりたくない人たちは、今年の私には関係ありません(笑)。明るく元気になりたい人たちの集団を、どんどん引っ張っていくのが、2007年の私の仕事だと確信しています。

能登原
これまでも言ってきたことと同じになってしまいますが、まずは、今年もシステム開発のプロジェクトを成功させるために、支援していきたいです。それと、やはり仕事で関わってゆくみなさんを、幸せにしたいですね。IT業界で働く人を成長させたいし、余暇や家族と過ごす時間を確保し、プライベートでも余裕を持った上で、よりよい仕事ができるようにしたいのです。そのためには、先ほども言いましたように、生産性を上げることが大事だと思っています。個人個人の能力を上げて、生産性を上げることが必要です。それができれば、会社に対しても、いろいろ「こうして欲しい」と改善要求もできると思います。しかし、生産性も上がらないまま、自分が仕事をこなす十分な能力がないのに、「給料を高くしてほしい」とか、「環境を改善してほしい」とか要求しても、それは到底聞き入れられません。僕はむしろ、そういう厳しさが必要だと思います。まず自分たちのほうから、やるべきことをきちんとやって、改善のスタートを切ることです。そして結果を出して、周囲にもよい波及効果を及ぼしていければよいと思いますので、そういうことを支援したいです。それは今年だけではなくて、今後も継続していきたいと思います。

― なるほど。たとえば生産性が明らかによくなって、仕事の質も上がるという、目に見える変化の部分と、その人個人の教養や成長のように、すぐには見えないけれども、確実に基礎が作られて、全体を底上げしていくような変化の両方があるのですね。その二つの変化が、今年はうまく回ってくれるといいですね。


そうなるといいですね。それには、会社が提供する環境も、変えていかないといけません。環境といっても、様々なものがあります。教育の機会やチャレンジする機会も、もちろんそうですが、一番大きいのは、やはり意識改革です。人間はいろいろな「壁」に取り囲まれていて、なかなか変化出来ません。IT業界にも「組織の壁」、「戦略の壁」、「技術の壁」など、壁が多くありますが、一番、厚い壁は、各個人の持っている「自分の壁」です。みんな自分の壁を、内側から塗り固めているわけです。これを破って外へ出るのは非常に勇気がいることです。それを、どうやって実現するかなのです。意識改革するためには、刺激的な事例など、「ハッと思うようなこと」をきっかけに、自分の壁を、何とか破ってもらうことが大切です。その様な気づきのきっかけを提供して、さらに本質的な部分に踏み込んでいきたいです。先ほど能登原さんが言ったように、基礎力のなかでもさらに本質の部分を教えると、だいぶ変わってくると思います。本質の部分を理解していないということすら、みんな気がついてないのが現状です。「プロジェクト活動とはなにか?」という、きわめて基本的なことについても、きちんと正しく答えられる人は非常に少ないです。依然、「プロジェクトとはどういうものなのか」と本質を教えることも必要ですし、経営者にも気がついてもらわないといけないのです。もちろん、これまでもやってきたことではあるのですが、2007年は総合的にそういう活動をします。特に、経営者であるマネジメント層に理解を深めてもらうのが私の役割だと思っているので、頑張ってやろうと思っています。

「目標を持つ」ということは

― 今、林社長がマネジメント層とおっしゃっていましたから、少し重なってしまうかもしれませんが、2007年のIT業界のマネジメント層に対して一言、メッセージをお願いしたいと思います。能登原さんには、現場の若手に対して、一言お願いします。


マネジメント層に絶対不可欠なのは、自分の意見や方針を持つということです。「自分とは何か」、「自分の強みは何か」、「何を実現したいのか」というビジョンを持たなければ、それは実現しません。コンサルとして「どうしたらいいのでしょう?」とよく尋ねられますが、その言葉はもう捨ててください。マネジメント自らが、自分はどうしたいのか、ビジョンをきちんと持っていただきたいのです。

― では能登原さん、現場の若手に向けてメッセージを。

能登原
自分の反省もあるのですが、改革や改善を行うときに、その人が不得意なことをやってもらおうとしても、結局あまり上手くいかないことが多いようです。やはり人間にはそれぞれ個性があります。逆に言えば、得意なことだったら、どんどん伸ばしていけます。個性や得意技を意識して、そこを伸ばしてほしいですね。そこから何か自分の道を切り開いてほしいと思います。

― なるほど。そうすればIT業界は明るくなりますか。


明るくなりますよ。自分で目標を持つということは、言い換えると、今よりも良くなりたいということです。だから目標を持つ必要が生まれるわけだし、それに向けて努力することが、一番その人のためになります。私は「それをしっかりと理解して、目標を持ちましょう」と言っているわけです。でも、みんな、意外にそこが理解できていないのです。さらに言い換えると、誰かに言われて「目標を持たなければいけない」と考えるなんておかしいでしょう。そもそもそんなものは目標ではありません。自分で目標を持てない人は、自分を大事にしていません。粗末にしています。自分を大事にしていないと、中年の不良みたいになってしまいます。「何のために会社に来ているの?」「いや、他に行く所ないから」とか…いい大人が、それでは情けないですよ。
そうではなくて、「私はこういうことがやりたい」という目標を持つことです。そのために会社を変わったっていいじゃないですか。今の会社を辞めればいいし、収入が下がる覚悟でやり直せばいいのです。私のようにいきなり借金を背負って、会社を作る必要はないですが(笑)、やりたいことが見つかって、心が決まれば踏み出せばいい。それだけの話です。
子どもは、世界に対する知識量が圧倒的に少ないから、「かっこよさそうだからパイロットになりたい」とか、自分の身近にいる「○○先生みたいな先生になりたい」という将来像を描きますが、いい大人だったら、もっと具体的で現実性の高い目標を持てるわけです。私の理屈で言うと、目標を持つということは、自分を大事にするということです。自分を大事にしている人は魅力的だし、人を大事にできます。だから絆が広がっていき、よりよい仕事もできるようになります。

みんなが得意なことを伸ばして、幸せになる社会に

― 能登原さんからはいかかですか。

能登原
林さんがもう言ってくれていますね。その通りですよ。
もう一つは、先ほどの繰り返しになりますが、「できないこと、苦手なことをやらせようとしたのは間違っていたのではないか」という反省が僕にはあります。


いや、今はまだできないことでも、その人がやる気になればできますよ。でも、本人がやりたくないことを、ずっとやれと言っても難しいですね。

能登原
ドラッカーの本を読んだときに、思いました。「なぜだか分からないけれども、この人はここが得意で、ここができる」。その理由は、なぜだか分からないわけです(笑)。なぜだか分からないけど、その人はそう育ってしまっているし、その人には得意なものがある。そこを伸ばさないといけないということですね。そこから、先ほどの落合監督の話になりますが、なぜかは知らないけど、川相選手はバントが得意なのですよ。


無理にホームランの猛練習なんかさせてはいけませんよ。

能登原
そうです。もちろん練習の場面では、一通りのことはしますが、試合では、その人の得意なところをどうやって生かすかが、非常に重要です。そのほうが本人も幸せになります。マネジメントから考えると、人の生かし方というのは、本来そういうものだと思うのです。要するに、みんなが得意なことを生かして食べていくことができ、幸せになれる社会にしていきたいわけです。
でも、日本の社会には管理的なところがあります。みんなが同じことを同じようにしないといけないとかいう風潮がまだあります。これからの日本の社会はもう少し、外国人と一緒にやっていくことを含めて、個性を生かす社会になるとよいと思います。マネジメントをうまくやることによって、「みんなと同じがいい人」ではなく、得意なところを伸ばす人たちが生きやすい場にできないかと考えています。野球の話に戻りますが、昔の巨人の管理野球と、落合監督の野球は違いますよね。

― 全然違いますね。

能登原
あのように、社会も変わればいいなと思います。落合監督は、よく考えて野球をしていますよね。


それは彼の発言で分かります。それから明るいでしょう。落合監督を見ていると、決して暗くはない。

能登原
淡々としています。自分の信念があって、その通りにやるということですね。


落合監督は、ものの言い方というか、自己アピールが下手なところがあります。でも確信を持って言っていますよ。それから素直です。「自分のできることしかできない」と考えているのでしょう。あのように、あまり格好を付けないで、素直に「できないことはできない、できることはできる」と言える人が増えるといいですね。そして2007年も、人間の不正直さやよこしまな部分は、決してゼロにはならないですが、少しでも減らせたらいいと思います。高いビジョンを持ち、良いもの、上質なものを見れば、きっと心も洗われますよ。

― そうですね。まずはそこから始めたいと思います。ありがとうございました。

(終わり)

構成:萩谷美也子

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