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2007年5月18日

【インドIT研修】第一回 突然のインドIT研修打診にびっくり(住友化学システムサービス株式会社)

突然のインドIT研修打診にびっくり

— 今回は住友化学システムサービス株式会社の三木さん、小野さんのお二人に、アイ・ティ・イノベーションのインド研修を実際に体験されて、どのような発見や変化があったのか、そしてインドでの生活はどうだったか、率直にお話しいただきたいと思います。まだインドから戻られてあまり時間が経っていないので、印象が鮮明なのではないでしょうか。
 読者の方々がインドでのIT研修をイメージしやすいように、まず概略からお聞きします。お二人はいつからいつまでインドに研修に行かれていたのでしょうか。

小野
期間は3ヶ月間でした。今年の1月の6日に日本を発って、1月7日に向こうに着きました。帰路は3月31日現地出発で、4月1日に日本着というスケジュールです。

— ほんとうに、帰りたてのほやほやですね。そもそも「インドIT研修に行かないか?」というお話がお二人にあったのは、いつ頃のことだったのですか。

三木
上司から話があったのは11月の中旬でした。

— そのときどういう感想を持たれましたか?

三木
弊社はそれまで、インドでの研修に誰かを派遣したという実績が全くない会社でしたので、上司から突然「インドに行ってくれるよね?」と言われたときには、もう本当に青天の霹靂でした。

— 「行かないか?」というお誘いではなくて、「(当然)行ってくれるよね?」というニュアンスだったのですね(笑)。

三木
ええ、もう最初から「君にインドに行ってもらおうと思うのだけど、問題ないよね?」というような聞き方でした(笑)。

— なるほど。小野さんのほうはいかがでした?

小野
私も同じような反応でした。インドでの研修でどういうことをするのか、初めは全然分からなかったですし、「どうして自分が?」とも思いました。研修といっても全員が行けるわけではないので、どうして自分がそういう機会をいただけたのかということを考えました。
 特に私の場合、配属されてそれほど時間が経っていなくて、まだ仕事も覚えきれていない状態でそういうお話をいただいたので、自分がその機会をいただいたのが信じられないと言うか…ほんとうにびっくりで、何にも考えられないような感じになってしまいました。

— ちなみにお二人は、入社されてどのくらい経つのですか。

三木
私は今5年目なので、その当時は4年目です。

小野
私は当時1年目でした。

— 1年生を指名するなんて、会社もすごいことをしますね。

小野
ほんとうに、びっくりでした。

— そのときにお二人とも、上司の方からそのインド研修についてどういうご説明を受けましたか。研修の目的とか、「君に行ってもらうのは、これを身につけてほしいからだ」とか、会社としての研修生派遣の目的についてお話があったと思うのですが。

三木
そうですね。親会社が、今グローバル展開をしていまして、特にアジア方面に向けての展開がかなり進んでいます。それに伴うシステムの構築やネットワーク構築が必要になり、私たちの会社もそれに対応する人材が必要なので、何人かにインドに行ってもらうことにしました、という説明がありました。「そういうことなので、行ってみてくださいね。」という感じで(笑)、自分が選ばれた理由はそのときはわかりませんでした。

小野
私もだいたい同じような説明を受けました。

— 「何でインドに?」とは思いませんでした?

小野
インドでIT が非常に進んでいるのは聞いたことはありましたし、アメリカやヨーロッパよりはローコストで行けるだろうとは思いました。でも世間一般で言われているぐらいの理由しか思いつかなくて、どうしてインドなのかについて深いところまでは分からなかったです。

異文化理解を深める研修のプログラム

— 3ヶ月間の研修の内容と、一日のスケジュールについて簡単に教えて下さい。

小野
まず初めにビジネス英語の授業があります。初めのうちは1日中ビジネス英語の授業を受けました。1週間経つと午前中は英語の授業、午後はIT関連の授業になり、最終的には英語の授業はなくなって、1日中全部がITの授業になりました。
ITの授業の中身は、最初にソフトウエアエンジニアリング、次にUML、そのあとにデザインパターンを勉強して、データベース、コンセプト、OSと進み、最後にネットワークについて勉強しました。
その間に4日間だけクロスカルチャーという授業が入りました。クロスカルチャーでは丸一日インドについて学んだり、「インドを知るためには、日本を知らないといけない」とか、「異文化の中で仕事をしていくためには、こういうことを考えたらいいよ」ということを教えてもらったり、考えたりしました。一応座学なのですけど、グループワークのような感じで、プレゼンテーションもありました。

— それ以前に、多様なカルチャーの中での日本の特質とか、あるいは国際社会における「日本人とは何か」ということを考えたことはありましたか。

三木
なかったですね。突き詰めて日本人の特質とか行動習慣とか心持ちについて考える機会がそれまではありませんでした。クロスカルチャーの授業では「日本人はどうなの?」と先生に突っ込んで聞かれますから、初めて自分の文化について深く考えて知るよい機会になったと思います。

— どんなことについて「日本人はどうなの?」と聞かれるのですか?

三木
例えば人や組織を、保守的であるとか革新的だとか、協調的だとか個人主義だとか、さまざまな切り口から考えるのです。先生は「この切り口で言うと、インドはこっち寄りだよ」と教えてくださって、「じゃあ日本はどう? あなたの会社はどう?」と、ひとりずつ聞かれました。他の会社も合同でクロスカルチャーの授業を受けたので、所属している会社によっても意見が違うのです。会社によって文化が違うことがわかって、興味深かったですね。

— なるほど。他社の人と一つのテーマについてディスカッションをする機会はあまりありませんからね。

三木
ええ、これまではなかったですね。

— クロスカルチャーの授業を受けてよかったと思われますか。

小野
はい。他の企業さんの文化も教えてもらえましたし、自分の会社のことをもっと深く考える機会でもありましたし、すごくよかったです。

— そういうことは一回やっておくと、日本に帰ってからもまた応用が効きますよ。新たな視点を獲得できたということですから。

すべて英語によるIT関連授業

― ところで、最初にビジネス英語をやって、それからIT関連の授業になったということは、IT関連の授業というのは英語なのですね。

小野
ええ、英語です。

三木
もちろん全部英語です(笑)。講義、質問全て。教科書も、もちろん英語ですし。
一人だけ日本語を知っている先生がいらしたのですが、基本的には使わないというかたちでした。

— 全部英語というのは、きつかったですか。

三木
そうですね。私の会社からは6人行って、6人1クラスで授業を受けていたのですけど、メンバーによって英語スキルの差は当然あります。先生が同じことを言っても、分かる人と分からない人が毎回出てきてしまいます。小野さんは留学経験があり一番英語ができるので、翻訳してもらうことも多かったです。

小野
逆に私はITの知識が全然ないままに行っているので、それをサポートしていただきました。そのお返しに自分ができるのが英語だったので、そちらをさせていただきましたね。

― ITのことは例えば授業が終わってからや、お休みの日に教えてもらったのですか。

小野
そうですね。フォローしていただきました。

― それでは、持ちつ持たれつですね。

三木 小野
そうですね。

三木
おそらく、英語もITも真ん中ぐらいのスキルの人が、「どっちつかず」になってしまって、気持ち的にはつらかったかもしれません。ただ、6名みんなあってのチームですから。どちらかに優れている人がみんなをフォローするかたちで、3ヶ月進んでいったと思います。

― 同じ会社からの研修生で1クラスという形はいかがでした?

三木
同じ会社だけに、お互い遠慮がなく意見を言える部分はありました。それに「私たちの会社はこれを研修の目的にしているから、授業の進め方をこうしてほしい」というようなお願いもしやすかったです。

― ITと一括りに言っていますが、その中は細分化されていて、開発から運用までニーズは多様ですものね。

三木
ええ、先生の授業の進め方についても、みんなで納得いくまで話して「これがいいのではないか」と、意見をまとめることができました。もし他社さんのメンバーがいたら遠慮もあって、あまり「私たちはこうしたい」と言えないところもあったかもしれないですけど、そこは同じ会社なのでみんな自分の意見を主張しやすかったです。そういう意味では同じ会社で1クラスというのはよかったと思いますね。

― そのクロスカルチャーを除いて、IT関連で一番面白かった授業はなんでしたか。

三木
どれもけっこう辛かったのですけども(笑)。
私はソフトウエアエンジニアリングが面白かったです。今までの経験も生かしながら聞くことができて、一番興味深いというか、楽しく聞けました。

― 小野さんのほうはいかがですか。

小野
私もソフトウエアエンジニアリングですね。他の先輩方は開発プロジェクトを経験されていましたが、私はシステムの維持・運用の部署に配属されてまだ半年だったので、プロジェクトの最初から最後まで経験したことがありませんでした。でも、授業で模擬プロジェクトをして、開発プロジェクトのイメージが得られたので、すごく面白かったです。

― 模擬プロジェクトは、どういったレベルまでやったのですか。

小野
初めから要件を定義したりしました。もちろん時間の関係で、開発の部分をそんなに作り込んだりはしなかったのですけれども、だいたいそのシステムの開発の初めのほうから最後のほうまでをなぞるような感じです。その模擬プロジェクトが経験できたので、今まで本で読んでも全然イメージがわかなかったものが、わくようになって、すごく楽しかったですね。

― それでは、英語で苦労し、分からないIT系のことで苦労しながらやった甲斐がありましたね。

小野
はい。

三木
そうですね。日々の授業では、その両方に「四苦八苦」という言葉が本当にぴったりだったのですけど(笑)。特にITの授業の最初のほうは、用語もものすごくたくさん出てきます。平日でもけっこう予習に時間を取られてしまうので、たいへんでした。
最後のほうになると少しずつ用語も覚えていくので、予習の時間もだいぶ減って楽になったのですけれど、最初のほうは、みんなでもがいている感じでした。

(次回に続く)

構成:萩谷美也子

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