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2007年7月17日

【PM研修】第一回 PMの仕事とは何か、悩みながらの受講

PM研修に参加したきっかけは?

― まず、最初にお二人の自己紹介からお願いします。お名前と会社名、それから、今入社されて何年目で、どのようなお仕事をされているのか教えてください。よろしかったら年齢もお聞かせいただけますでしょうか。

松井
はい。株式会社シーエーシーの松井と申します。社歴のほうは、入社して7年目に入ったところです。
現在は、データ移行のプロジェクトで仕事をしています。データ移行がうまくいったかどうかという検証機能の開発を要件定義から担当しております。プロジェクトとしての規模は大きいのですが、大き過ぎるだけに細分化されているところがあります。最初は私を含めて5、6人ぐらいのチームでしたが、現在は私一人です。

― 1人チームですか。それは大変ですね。

松井
もうリーダーというポジションですらなくなっているのではないか、という状態で、独立部隊みたいになっています。

― チームが5、6名だったときは、そのリーダーだったのですね。

松井
はい、初めてリーダーをやらせていただいたところだったのですが……

― フェーズが移って、今お一人でやってらっしゃる。

松井
そうですね。年齢は30歳です。以上、簡単ではございますが自己紹介です。

― 実年齢よりも、お若く見えますね。では、もうお一方。

山口
山口哲郎と申します。株式会社エス・イー・ラボという会社に所属しております。入社して今年で4年目、年齢は28になります。マスターコースに進んで学生を長くやっていたので、年齢はいっているのですけど、キャリアはあまり長くありません。
去年の中旬ぐらいから、自社製品として財務会計のパッケージソフトを作っておりまして、その財務会計パッケージソフト開発のプロジェクトマネジャをやっています。最初半年ぐらいは、私も入れて5人ぐらいのプロジェクトだったのですけど、今は全部で15人ぐらいのプロジェクトになっています。いま要件定義が終わって設計の最中なのですけど、開発ぐらいになると、もうちょっと人が増えてしまうかなという感じですね。

― もう詳細設計に入っていますか。

山口
いえ、まだ外部設計です。

― 15名のチームのプロジェクトマネジャですか。すごいですね。山口さんのほうはだんだんに人数が増えていくのですね。

山口
その予定ですね。

松井
うらやましいです。

― どちらにも、それぞれ別の種類の大変さがあると思いますよ。

松井
私も早くPMをやりたいです。PMとして、プロジェクトをマネジメントしてみないことには、せっかく今回研修を受けても、それを実践する機会がない状態なので、そこが歯がゆいですね。もちろん、研修の内容から言えば、リーダー、メンバーの立場からも得るものは当然あるのですが。

― そうですね。松井さんは研修当日にいろいろ聞いたり発表したりしている中で、実践したいというお気持ちが強くなったのでしょうか。

松井
ええ、私はもともと、技術者として生きていくよりはマネジメントに進みたいという気持ちをずっと持っていたのですが、今回初めてこういう研修を受講させてもらって、さらにその気持ちが強くなりました。

― 今回の研修は社内公募のような感じだったのですか。

松井
いえ、社内メールが回ってきたのです。それを見つけて「これに行かせてください」と。

― 自ら手を挙げられたのはすごいですね。山口さんは、この研修をどうやってお知りになったのですか。

山口
プロジェクトマネジャをやり始めたものの、混沌としていて何をやったらいいのか分からなくて…「PMって、いったい何なんだ?」と悩んでいたのです。

― PMは今回が初めてですか。

山口
そうです。入社してすぐプログラマをやったり、お客さんのところでSEをやったりしているうちに、2年ぐらい経ちました。もともと1社しか担当してなかったので、システム開発のキャリアもあまりなくて、システム開発とはどういうものなのか、よく理解できていないままに、プロジェクトマネジャという立場になってしまったのです。たぶん、会社の事情もあったのだろうと思うのですけど。
いざ、プロジェクトをやり始めてみたら、うまく進捗できないとか、問題がたくさんあって、すごく悩んでいました。たまたま弊社の副社長の上西が、アイ・ティ・イノベーションの林社長と旧知の仲なのです。弊社では毎月報告会があって、上西とは月に1回、「プロジェクトの状況はどうなの?」という話をする機会があるのですが、それで、「実は、プロジェクトがあまりうまくいってないのです」と話したところ、「お前、この研修を受けてこい!」と。「ちゃんと勉強して、それを生かせ」というかたちで出させていただくことになりました。

― なるほど。

山口
それまでは、PMとは何かについて体系的に勉強する機会も時間もなく、ずっとバタバタと仕事をしていましたから、今回の研修が、プロジェクトマネジメントを真剣に考えるきっかけなりました。それまでは、PMというのが名前だけになっていて、実際にはSEワークやデスクワークもやっていましたから。

― そう、PMなのに、実は3割ぐらいSEをやっていたり、2割ぐらいライブラリアンみたいなことをやっていることは、よくありますね。

松井
まさに、今話された、山口さんのちょっと前の状態が今の私、という感じです。今の自分がPMをやっても、山口さんと同じように「何をしたらいいの?」という状態になると思います。プログラマとSEのやることとは全然違うし、リーダーもまた必要な作業が全然違いますよね。

山口
ええ、違いますね。

松井
PMになると、また自分で一から学び直さないといけない。それを考えると、山口さんはちょうど私の先輩ぐらいにあたるかと。

山口
そんな、とんでもないですよ(笑)。

松井
1年、2年先の自分を見ているようだという感じがしますね。

― お話を伺っていると、お二人とも、もうかなりご自分の中に、「今のこの状態のままではいけない」とか、「こうなりたい」という思いがおありになって、この研修を受講された感じですが。

松井
「こうなりたい」と言うよりも、「どうなればいいの?」という指針を求めたところがあります。社内の他のマネジャも、自分たちの直属上司として存在しているわけですが、実際のマネジメントの業務として何をやっているのか、部下からは見えないのです。

― そうですね。部下の方から見たら、何かウロウロしているようにしか見えないと思います(笑)。

松井
確かに、お客様の偉い方と何か話しているのだけれども(笑)、部下にマネジメントらしく見えるのは、進捗報告のときぐらいです。あとは「工数どうしましょう?」というときでしょうか。それ以外のマネジメント部分が、なかなか見えませんね。

― 見えないでしょう。せいぜい「マネジャって、飲み会が多いみたいだな」とか(笑)。
実はそういうネゴシエーションや地ならしも重要だということも、今回受講いただいたことで理解されたと思うのです。特にユーザー系のデシジョン・ベースの方を巻き込むためには、そういう場で親しくなっておいて、ある程度リスクを背負ってもらうことも大事です。

松井
そうですね。今回の受講で、そういうところが少しは見えてきたのかなと思います。

自分で考え、手を動かす演習から学んだこと

山口
実は、ちょうど私がPMを始めたころに、社内でもプロジェクトマネジメントを強化しようという動きがあって、社内的なPM研修があったのですよ。

― それは、社内の方が講師をされたのですか。

山口
ええ。一応それを受けたのですけれども、何か教科書みたいなものを読んでいるという感じで…

― いわゆる座学の研修パターンですね。

山口
「こういうときはどうする」という議論は多少あるにしても、実際に自分でその場面に遭遇しないので、要は話を聞いたり議論をしたりするだけなのです。でも、今回受講させていただいたオープンコースでは、自分で手を動かすし、自分で考えます。それはとても重要なことだと思います。

― そうなのです。座学で学ぶと、聞いているときはできるような気がするのですけど、実際にやってみると、「あれ?」とつまづいて、そんなに甘いものではないことが分かったりします。

松井
「習うより、慣れろ」ですね。座学で手順だけ覚えても、うまく使えないのではないかと思います。今の職場でも、今回の研修を受講して帰って来てみると、「ああ、研修でもこんなのを使っていたよ」というフォーマットは、ほとんど揃ってはいるのですけど。

山口
そうですよね。弊社でもフレームワークのようなかたちで、ドキュメントを含めて全部揃っているのですよ。でも、使い方がよく分からなかったのです。

松井
むしろ、その資料に振り回されている感じがします。私が今、それを一番感じているのがWBSです。単純にスケジュールと考えれば、一つのフェーズ期間の中でリスケすることも可能なのに、WBSになると必達になってしまう。例えば「コーディングはここまでにしましょう」ということになっていると、飛び込みの作業が入って来た場合でも、期間には余裕があり1~2日程度リスケしても問題ないのに「WBSは変更できないから、徹夜してね」(笑)みたいな、硬直的な運用になりがちです。何であっても万能だということはなくて、プロジェクトをうまく進めるためのツールなのに「これを使えば必ずできる」、「これを使うだけでうまくいく」と考えがちになるのが、座学の悪いところじゃないかと思います。
この研修を受けてから、今のプロジェクトでも、悪いところがほんとうによく目に付くようになってしまいました(笑)。

― 本来はプロジェクトを成功させることが目的なのに、ドキュメントを作ることが目的になったりとか、いつの間にかすり替わる危険はありますね。
ところで、今回のようなワークショップ形式の研修に参加されたのは、お二人とも初めてですか。

山口
そうですね。

松井
私もそうです。作業場所が客先であり、社内の研修情報にアクセスしにくい環境にいるので、今回はほんとうにたまたま参加できたのです。メールでお知らせがあったので、マネジャに断ってから庶務に電話して、部門長に「受けさせてください」と言ったら、「じゃあ、受けて来なさい」と。そこだけ見ると、やる気があって自己研鑽に励んでいる人みたいな感じですけれど(笑)、実は偶然です。

― でも、ご自分から情報を獲りに行って、選んでいますね。

松井
今回の研修には純粋に興味があったのです。自分の進みたい方向のことですし、私はどうやら知識欲が強いほうなので、PMがどういうものなのか知りたくて、自分から手を挙げてしまいました。今回は、この研修の案内だけしかなかったのですが、私の受講した「コントロール編」以外にも「計画編」がありますよね。もしそちらの案内もあれば、それに手を挙げていたと思います。
コントロール編を受けて思ったのが、結局、コントロールはきちんとした計画があるという前提に立っているということです。ですから、コントロール編の研修も、やはりその前提から始まっているわけです。

― そうですね。「きちんとリスクの洗い出しもして、それを工数として見込んで計画表を立てました。それなのに、プロジェクトがよれたらどうしますか?」というのがコントロール編です。山口さんは計画編のほうを受講されていますよ。

山口
はい。私は計画編を受けました。

松井
私はできれば計画編も受講したいのですが、そちらは座学中心なのですか。

― コントロール編は8割演習ですが、計画編は7割が演習で、割合は若干減りますが、基本的にワークショップ中心です。

山口
逆に、私の場合「よれたときどうするか」というのを受けたいですね。今、ほんとうに、プロジェクトがよれそうなところにあるのです。アサイン予定だった要員が急にアサインできなくなり、「どうするんだ! スケジュールにかなり影響が出るぞ!」という状況です。社内で対策に追われています。

― 予期しない事態が起きたとき、その問題をいち早くキャッチし、洞察してそれに対する対策案を立てます。その問題を、自分だけでどうにかできることはまれですから、周囲を巻き込んでどういうふうに解決に向かうか、演習をしていただきます。松井さんはその演習をおやりになりましたよね。

松井
はい。そのときに周囲を巻き込む練習は相当したのですけど、実際の職場に戻ってしまうと、お客様との関係もありますし、私はまだPMでもないので、巻き込める範囲が限られてしまいます。この間も、ある案件についてエンドユーザー様と直接打ち合わせをして、よい形でOKが出てほっとしていたら、お客様のさらに上席の方の意向で、その直後に話が変わってしまったり…難しいです。無茶なリクエストもありますし。たとえば「人を増やせば、その分短い納期でできるはずだ」と言われても、現実にはそう単純に物事は運ばないのですが。

― たしかに、そういうこともありますね。

松井
でも、それでは私たちは、言われたことだけやっていればいいのかと言えば、やはりそうではないですよね。どこをどうすれば、しっかりしたシステムができるのかを考えれば、言われるままではいけない、という思いがあるのです。

― その通りです。ユーザーさん側が必ずしも、技術や現場のこと、さらには会社の戦略目標とIT戦略の全てに精通しているわけではありませんから、お客様の言った通りにさえしていたら、よいシステムができるとは限らないです。そのへんの兼ね合いは、確かに悩まれるところだと思います。

(次回に続く)

構成:萩谷美也子

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