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2007年9月28日

【特別対談】第四回 今後の国際戦略を見据えた人材育成

非常にレベルの高いインドのIT技術


写真をお見せしながら、われわれの旅行のエピソードをお話しましたが、このへんでまとめに入りたいと思います。八木社長はインド訪問で何を感じ、何を発見したのでしょうか。簡単にまとめていただければと思います。

八木
そうですね。「インド人もびっくり」はさきほどお話しましたが(笑)、ITに関して言うならば、インドはもうレベル的には日本よりかなり進んでいるなという印象を受けましたね。 インド経済というのは、どちらかというと第二次世界大戦後ずっと社会主義的な経済体制できたけれど、自由化開放政策が91年に始まったと聞いております。つまり自由化開放政策が中国よりも10年くらい遅れてスタートしました。しかも製造業のようなインフラが整ってはいませんでしたから、方針として非常にITに力を入れたということです。それが例の2000年問題も絡んで、非常に上手く、世界的な需要と合致したのですね。 ITに関して言うと、そういうことで、ITの技術者も非常に高いレベルの人が多いです。インフォシスに行ったときもそれを感じましたが、私のよく知っているアメリカの電力会社の一つは、完全にその会社の全システムを丸投げしてしまっています。会社によっては自分のところの監視業務までインフォシスに頼んでいる。完全にアメリカやイギリスはインド抜きではIT業界が成り立たない。そんなところまで深くコミットしているのですよ。


そうですね。ですから今後は、インドとは喧嘩できない関係ということになったのではないでしょうか。 続いてお聞きしますけど、中電シーティーアイさんには、すでにインドに送り出した社員の方がいらっしゃいます。そして、これから行かれる方もいらっしゃる。社員の方に何を期待して送り出したのかということと、帰国後、どんなふうにその方に変化を感じていらっしゃるか。それを最後にお聞きしたいと思います。

八木
はい。もちろん、さっきも話しましたように、ITというものはものづくりであり、世界を視野に入れなければ立ちゆかない時代になってきたと思います。私どもの会社は、実は上海には、小さいながら事務所を持っておりますし、中国との事業はかなり本格的にやっております。 ただ私は、中国だけに頼っていては、やはりリスクがあるのではないかと思っております。中国の場合は、将来のカントリー・リスクがありますし、これは私の個人的な感じですけれども、中国には「一人っ子リスク」というのがあるのではないかと思っています。一人っ子政策で、最近の中国では大学卒の若い連中はほとんど一人っ子ということになります。中国のわれわれくらいの年配の人は口をそろえて「今の若い連中は話にならない」と言う。そうすると、中国一辺倒ではちょっと危険ではないかということです。 そこで今われわれは、ベトナムとインドも視野に入れて、これからの関係構築について勉強したいということだったのですが、ベトナムとインドはおそらく使い方が違ってくるだろうと思います。ただ、いずれにしても中国は別にして、ベトナムやインドと仕事をする場合は、やはりある程度英語で仕事ができる人間をつくらなければなりません。そのためにはやはり一度、英語できちんとしたIT教育を受けてもらうのがよいだろう。これがインドでのIT研修に社員を派遣した一番強い動機です。それと同時に、ああいう異文化の中に入っても耐えられる人間になってほしいということですね。

異文化体験で大きく成長した女性社員

八木
それで去年、試行的に男性1人、女性1人を研修に出したのですけれど、私が一番うれしかったのは、女性社員の変化です。男性社員のほうは、それはもう誰が見ても非常に優秀な人材だったと思いますし、帰ってきてからもそのとおり期待されています。 女性の方は、こちらからの指名ではなく研修に自ら応募してきました。それを受けてわれわれもいろいろ考えたのです。彼女はうちの社内的に見ても、比較的平凡な女性でした。ただ、勉強してみたいという意欲だけはあったものですから、「それでは、今回は試行だから、研修に出してみるか」ということだったのです。 でも、彼女は研修に参加することで非常に自信が持てたようです。帰ってきてから、職場の中においても行動の仕方が違ってきたというのですね。これは非常にうれしかったですね。


やはり異文化体験によって、一皮剥けたという感じでしょうか。

八木
ええ、そんな感じがします。彼女は入社して数年間、電力システムの保守という非常に地味な仕事を黙々とやってきていたのですけど、今度、インドでそういう勉強をしてきて、本当に一皮剥けたな、変わったなという感じを受けました。

今後の国際化に必須となる「歴史の眼」


どうもありがとうございました。最後の最後に、今後のITの技術者、マネジャにとって、社長が重要だと考えておられることをお聞きして終わりにしたいと思います。難しいことばかりお聞きして恐縮です。

八木
たいしたお話はできないのですけど、私がいつも新入社員に話す言葉の一つをご紹介しましょう。私は入社式のときに、新入社員に「三つの眼を持ちなさい」という話をいたします。一番目は、「虫の眼」です。これは社会に入って、まずは徹底して虫のように現場を這い回れということです。虫の眼を持つことで、なるだけ早いうちにプロになってほしい。特にわが社の商品は技術なのだから、一日も早くプロになれということですね。 二番目は、「鳥の眼」です。少し高いところから広く俯瞰して見る癖をつけろということです。会社のことばかり、仕事のことばかりではなくて、もっと広く社会のこと、あるいは世界のことも視野に入れなさいと。国際感覚もそのひとつだと思いますけど、広く世界を見ることが大事であると思います。 最後が、「時間の眼」と申しますか、「歴史の眼」です。これは絶対に身につけてほしいのです。ものごとには全て歴史があるし、これからいわゆる国際的に事業を展開していく中で、外国の人たちとお互いに理解し合ううえで一番大事なのは、その国の歴史をよく知ることであると思っています。もちろん語学も大事ですが、それ以上に、歴史を見る眼が大事だというのが私の考えです。 これら,三つの眼を養った上で、あとの問題は、体力と気概です。これはたぶんITの技術者にとっても同じではないかと思います。


どうもありがとうございました。今回は短い時間ではありましたし、もう少しお聞きしたいこともありますけれど、八木社長のお人柄、それから中電シーティーアイさんの外へ向けてのいろいろな施策も伺えたのではないかと思います。 お忙しい中、お話いただいた八木社長へ、改めてお礼を申し上げたいと思います。

八木
ありがとうございました。

(終わり)

構成:萩谷美也子

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