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2008年1月25日

【新春放談】第4回 「勇気をもって変化へと踏み出す個人が、企業も社会も変える」

サービスの基本、コミュニケーションの土台を再確認

林 衛


また種子島の話に戻りますが、世間的な常識で考えれば、あの島は一見ビジネスには縁遠いように見えると思います。でもビジネスというのは、そういうものではありません。
市場調査は、確かに大事です。しかし、われわれのビジネスで言えば、「メソドロジーで世界制覇」ということはありえませんよね。やり方によるかもしれませんが、おそらく各会社にすべてわが社のメソドロジーが入っているという状態にはならないでしょう。それよりも大切なのは、必要としている人、このメソドロジーをぜひやりたいという人たちに確実に届けることです。

― 確実に届けるということが、また原点のひとつなのですね。


届けるといえば、私の自宅から種子島まで、ゴルフ宅急便は2000円かからずに届きます。宅急便のビジネスがすごいと思うのは、そのルートはおそらく何千円かの赤字になっているはずなのです。それでもお客のニーズにきちんと対応し、全体で収益を上げている。サービスというのはそういうものです。一方では、郵政公社を解体してゆうちょ銀行や日本郵便等に分割し、合理化が進められています。でも、種子島にある郵便局は、必ずしも無駄ではなく、その土地の人にとっては非常に大事なものであるわけです。物事が反対側からどう見えているかというのは、やはり直接その地を訪ねて聞かないとわからないと思います。
私が種子島で二軒目に泊まったのは、元先生をされているお宅でした。この先生は、釣りが好きで、島の美味しいものを知り尽くしています。その方のお話では、「イセエビに値が付くようになってから、地元の人もイセエビを自由に獲れなくなった」ということです。イセエビに高い値が付くようになったのは形がよくて、料亭やレストランで見栄えがするからで、島にはイセエビよりも形は悪いけれど、実はもっと美味しいものがあるのですよ(笑)。それは地元の人に聞くのが一番ですね。地元の人の流儀を素直に聞くと、そこには今まで知らなかった世界が広がります。

能登原
そうでしょうね。でも、その知られざる美味も、あまりみんなに知られてしまうとイセエビの二の舞になってしまいますから、地元の人はあまり教えたがらないのではないですか?


本当に親しくなれば教えてくれますよ(笑)。
2008年は田舎でイベントをして、歓待される体験をするのもいいかもしれないと思います。初対面の人の家族でさえ、あけっぴろげに受け入れてくれる。そういうコミュニケーションの土台がなくてビジネスだけになってしまうのは、あまりよくないのではないでしょうか。

能登原
私も常々言っていることですが、まず仲良くならないと仕事は広がらないですよね。


そう、人間は仲良くならないと正直になれません。やはりバリアーがあります。仲良くなれば、コミュニケーションの条件が整うわけです。そういうことを抜きにコミュニケーション手法だけ云々しても、腹を割って話すことはできません。しかし、その部分をショートカットしがちです。省ける部分だと思ってしまうのかもしれませんね。

能登原
人間関係やコミュニケーションが得意でない人もいます。そういう人に無理にやれといっても、なかなかうまくいきませんし、それがストレスになったりします。


子供のときからの親子関係や、親戚、近所づきあいをしてこないと、なかなか難しいですね。コミュニケーションが苦手な人に強要してもあまり意味がなくて、結局、自分から変わる意志をもてるかどうかでしょう。当然、周りの人は「この人はコミュニケーションが苦手のようだ」と気が付いているわけですが、その人自身気が付いて「どうにかしたい」と思うところから、変化への一歩が始まります。

能登原
まずは、会社の企画した忘年会にもきちんと参加するというのが、基本中の基本だと思うのです(笑)。せっかく実践の場があるのですから。


だから原点に返ろうといっているわけですよ(笑)。その基本を忘れて、コミュニケーション手法の勉強ばかりしていても、うまくいかないのではないでしょうか。
種子島の子供たちの、分け隔てのないきちんとした挨拶や、知らない人が相手でも普段どおりに受け入れる土地の人たちの行動には、こちらが驚かされましたし、大いに啓発されましたね。

チャレンジそして、本物を!

能登原伸二

― 新春ですから、ここで明るい話をお願いできますでしょうか(笑)。

能登原
先ほどチャレンジの話をしましたが、今年はより積極的に新しいことに挑戦していくということですね。今年は会社の中でもみんなに言っていこうと思うし、率先して実行しようと思っています。
最近思うのは、例えば林さんと私で、ひとつの問題に対して二人が横向きに対応すると、また新たなチャレンジができるのだけれど、お互いが問題に相対してしまうと、あまりうまくいかないのではないかということです。どうも問題に相対してしまうと、前向きな結果を生まないという気がするのですね。問題に向き合っているつもりで、じつは問題の向こう側にいる個人に視線やエネルギーが向かっていてしまい、結果として問題解決の方法には進んでいなかったということになってしまいがちです。
特にチャレンジをする場合には、何らかの課題に対して、みんなが横位置に並んで、同じ方向を向くという形でいくのがベストなのではないでしょうか。イメージの世界の話になりますが、これが非常に大事だと思います。
家庭でもそうです。妻や子供たちとも、家庭内で起こる問題や課題に対して、横並びで一緒に解決方法を考えていくとよい結果が生まれますし、少年野球の指導をしていても、ある目標に向かって一緒に努力していく形をうまく作っていくことを常に考えています。問題に相対しているつもりの人同士が、ギクシャクしたり気を使ったりしてエネルギーを浪費してしまうのではなく、会社のみんなのエネルギーをチャレンジの方向へ向ける形にする。そうすれば新しいチャレンジも、うまくいくのだと思います。

― そうですね。人間の使えるエネルギーは一定ですから、出来るだけ目標のほうに集中したいですね。


ネガティブな方向にエネルギーを向けると、それをやっている人はもちろんですが、それを見聞きしている人も疲れます。

能登原
今年は何か問題が起きても、問題の核心がどこにあるのか早めに整理して、みんなで共有して、次にどのような手を打つかにエネルギーを集中したいですね。
なかなか日本の社会全体ともなると、簡単にはいかないようです。例えば、年金問題は問題の根っこが深いだけに、なかなか前向きになれない部分があると思います。それでもやはり、この方法を採って行くのがよいのではないかと思います。


問題から逃げない人が、少しずつ増えてきていると思います。政治の世界でも逃げないでがんばっている人はいますね。
やはり、今年は厳しい状況の中で本物が選別され、本物が活躍できる時代になります。だから、われわれはやりやすくなりますよ。ただし、本物は必ず苦労しますから、その覚悟は必要です。

能登原
何か変えよう、チャレンジしようというときには、苦労は付きものですからね。昨年、守屋元事務次官を罷免しようとした小池元大臣も、一度は自分のほうが辞めざるを得ないところに追い込まれました。


でも、結局はそれで、防衛省はよい方向にいきましたからね。やはり税金はきれいな使い方をしてほしいです。

能登原
逆にあの出来事で、それまでは「自分の任期の間は問題に蓋をして無事に過ごしたい」という人がいかに多いか、それを変えるのがいかに大変かということがわかりました。でも、そこで一度がんばって変えれば、事態は劇的に変わるのですね。
そして、変化を起すのはやはり人だということを、あの事件を見て痛感しました。


変える勇気があれば変えられるのですよ。でも勇気は、毎日は発揮できません。ここ一番というときに本当にやれるかどうかということです。
良いものを吸収し、悪いものや汚れを取り除きながら変化し続けましょう。今年はそういう年なのだと思います。本物のコンサル、本物の教育、本物の会社になる。本物をつけると、けっこう緊張しますよね(笑)

「とんでもない驚きの企画」を生む年に

能登原
そういう変化は、ある程度常識的な判断と勇気があればできると思いますが、やはり難しいのは、まったく新しい発想や、現状を大きく超えた企画力ですね。それは才能の領域になってしまうのだろうし、自分にその才能があるかどうかわからないですが、これからはそれにも挑戦したいと思います。


自分が才能を発揮してもいいし、才能のある人を見つけ出してもいいのです。才能のある人を見つけるのも、また才能ですから。
今年は「とんでもないこと」をやり始めましょう。

能登原
みんなを驚かせる、これぞという企画がほしいですね。そのためにも、それができる体質、文化に会社を変えていかないといけません。


インドの次に、またみんなが驚くようなことをやりましょう。フォーラムに来ていただけるお客様も、それを期待しているのだと思います。そういう人たちと一緒に、また新しいことをやって、それを繰り返して行くことです。「とんでもないもの」を立て続けに生むことは難しくても、変化し続けることはできます。おそらく、その過程でこそなにか「とんでもないもの」が生まれるのだと思います。

能登原
任天堂も、決して順風満帆だったわけではなく、ソニーやマイクロソフトが参入するという危機を乗り越えて、「とんでもないもの」を生んでいますものね。


われわれも専門性の高い「狭い路地」で戦っていますから、大軍が来ても、敵を一人ずつ切り伏せられる。だから、負けないわけです。広いグラウンドで戦ったらやられますけれど(笑)。

― なるほど、できるだけ自分たちの有利なところに引き込んで戦うのですね。
最後に、お二人に、それぞれ締めの一言を。


最初に言ったことと同じになってしまいますが、今年はやはり原点に返って、創業期の精神に立ち戻ることが大事です。それは、わが社に限らず、社会全体に言えることだと思います。

能登原
2008年は単なる変化ではなく、もっと新しい発想とか、画期的で飛躍のある考えに基づく企画に挑戦していく年にしたいですね。

― お二人とも、ありがとうございました。よい年にしていきましょう。

(終わり)

構成:萩谷美也子

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