2008年2月 1日
【PM研修座談会】第二回 「計画編とコントロール編をトータルで受講」
意見をまとめながら、発表とレビューへ
― 他社とご一緒の研修というのはどうでしたか? まったくの初対面からコミュニケーションを始めなければいけない難しさがあったと思うのですが。
菊地
最初は打ち解けなかったのですが、そのうちだいぶ慣れてきました。普通の会話もできるようになって、いろいろな意見も出るようになったのは2日目ですね。計画編のときは、なかなか雰囲気になじめないところもありましたが、最後の日には「みんな一緒に」という感じになり、非常に良かったです。
― 計画編とコントロール編では参加メンバーが違ったわけですが、計画編はどのような感じでしたか。
菊地
計画編は、グループが二つに分かれて、松下さんと私は別のグループだったのです。私のグループは、かなり個性的なメンバーがそろってしまいました(笑)。声の大きい人がまとめ役のような感じになっていたのですが、声の小さい人も負けずに自分の意見を持っていて、その意見を曲げなかったのです。
― なるほど、喧々諤々なグループだったのですね。
菊地
ええ、みんないろいろな経験をしていて、「自分のときはこうだった」という主張があって、議論が「自分の経験こそが正です」という形になりがちだったのです。そのぶつかり合いがありましたね。
― それは確かにしんどそうです。
菊地
ただ、最後はみんな「やっぱりそれじゃ駄目だ」と気付きました。
― 議論をしているうちに「自分の経験だけがすべてではないのだ」ということがわかったのですね。
菊地
そうです。それがよかったです。
― 松下さんはいかがでした?
松下
私は、比較的苦労しなかったと思います。もちろん参加された皆さんは、それぞれ考え方は違ったのですけども、誰かしらがまとめて進んでいった印象がありました。時間制限があるので、その中で成果を出さなければいけませんから、自分の意見にこだわるというより、「早くやらなきゃね」という雰囲気でした。
― 松下さんのグループは、時間制限を意識して進めていったのですね。
他のチームが発表している間も、その発表に対して質問やレビューをしないといけませんから、みなさん、気が抜けなかったと思います。実際、かなり突っ込んだ質問やレビューが出ていました。自分たちのグループが発表するときは、それをいかに阻止できるかということで(笑)、突っ込まれる余地のない良い発表をしなければなりませんしね。
菊地
そうですね。発表者もなるべく口がうまい人が選ばれていました(笑)。
西本
なるほど。そのときに、プレゼンのスキルも鍛えてもらったのですね。
菊地
ええ、発表者がおとなしい感じだと、みんなにたたかれてしまうので。
― 発表のときに同じことを言っても、説得力のある言い方をすれば納得してもらえるのに、自信なさげにボソボソ言ってしまうと、そこに突っ込まれてしまうということがあります。ですから、各グループともプレゼンも工夫したようです。
西本
実際の業務でもそうですからね。中身はもちろんですが、いかにお客さまのハートをつかむかがポイントになります。
― 実際の業務と同じく、この研修そのものがプロジェクトのようなものなのです。初顔合わせでどうやってお互いの性格を把握して役割分担をして、みんなでフォーメーションを組んで、時間制限のある中で発表に向けてまとめていくわけです。そういうところで発揮されるチーム作りの力や、対外的なプレゼンスキルは、まさに業務やプロジェクトと同じです。この研修は、プロジェクトをぎゅっと圧縮したようなものです。
松下
集中していますから、1日終わったらやっと「ハアー、終わった」と息がつける感じでした。1日が濃縮されていますよね。やっている間は、取りあえず成果物を出して発表するのに必死ですから、1日終わった時点で振り返るとすごく濃い時間を過ごした感じがします。「短時間でこれだけのことやったのだな」と実感できました。
― そうですね。成果が目に見えますからね。
計画編とコントロール編の関係
― ちなみにお二人は受講されたとき、ご自分の抱えているプロジェクトがおありだったのですか。
菊地
いえ、私は普段保全の仕事をしているので、過去にやっていたプロジェクトを振り返りながらの受講でした。
― 過去ご担当されたプロジェクトをイメージしながら、リスクの洗い出しなどをなさったのですね。
菊地
そうですね。そういう感じです。松下さんは?
松下
私も保全業務が中心ですが、常に何かしらのプロジェクトが動いており、保全業務においてもいろいろなプロジェクトが組み込まれてきます。
― 保全でも細かい回収等がありますものね。
松下
そうですね。回収業務はもちろん、あと上流工程におけるプロジェクトの計画や実行段階におけるプロジェクトと保全との関係とか。
西本
ほんとうは、プロジェクトが始まる前に受講して、そのままプロジェクトを進めるというのが一番いいのでしょうね。
― 確かに、準備段階として次のプロジェクトが始まる前に、まず計画編を受けていただいて、コントロールフェーズに入るちょっと手前で、コントロール編を受講されるのがタイミング的にはベストではありますね。
西本
コントロール編は、途中で変更になるときの手法や方法論ですよね?
― そうですね。コントロール編は、計画はできる範囲で精いっぱい立てたけれども、始まったあとに予想しない事態が発生したり、プロジェクトがよれてきた場合の対応を学びます。プロジェクトがよれてくる予兆をどうやって見つけるのかということ、それに対して、仮説でも何でもいいのでとにかく対策案を立てること、それからあとは周囲を巻き込んでどう動くのかということ。この3本柱をワークショップ形式で実践します。
特に、プロジェクトのコントロール段階で顕在化しやすい根深い問題があるのですが、お二人はそれらを掘り返す感覚はつかめましたか。
菊地
ええ、そうですね。
松下
感覚的には、表層で見える課題が発生した場合、その根っこには原因があって、その原因はやはり掘り下げて分析しないと見えないだろうなと思いましたし、そのやり方は少し理解できたと思います。
研修後に業務に戻って感じたこと
西本
松下さんは、今回の研修を受けていたから実際の業務でうまくいったということは何かあった?
松下
表層的には常に感じていたことを、もう一回業務でやったときに、自分なりに「原因はこの辺にあるんじゃないかな」と分析するようになりましたね。その分析が合っているかどうかはわかりませんが「スケジュールを立てていないのが原因かもしれないから、スケジュールを立てたほうがいいんじゃないの」と言うようになったと思います。
西本
そうだな。そういう気がするね。私は松下さんを見て、最近そういう提案のきめ細かさが出てきているのではないかなと思います。
― 提案というのは上司の方への提案ですか?
西本
私に対しては報告が多いですけど、基本的には何かトラブルがあったときに、「ここはこうすべきだった」という分析と、「じゃあ次回こうしようね」という「ソリューションが的確にできるようになってきたのではないかなと思っています。
― たぶん今回の研修で、今までの整理ができたことが良かったのではないかと思います。おそらく受講する前から松下さんなりにイメージはあって、それが整理できたことによって。明確に「こうじゃないですか」「今度はこうしましょうね」と言えるようになったのでしょうね。
松下
確かにそうですね。仕事をしながら考えてきた自分の理論というのがあっても、それが正しいのかという判断は難しいと思います。こういった研修を受けることで整理できたのかもしれません。
― 整理ができないとどうしてもぶれるので、すっきりした感じの提案にならないのです。
菊地
私は今、新しいプロジェクトに入ろうとしている段階ですので、今回の研修を受けたことはすごく役に立つと思います。実際に今、研修を受けたことをプロジェクトに活用しようとしていますが、プロジェクト全体で同じフェーズにするということは、なかなか難しいです。ここまで細かく分析が必要なのか?という疑問に必ず直面します。この研修を受けてみると、それがどのくらい重要なのかがピンと来ると思います。そこが今、私の悩みどころなのです。
― 同じ体験をしていないので、リーダとメンバーのあいだに温度差ができているのですね。
菊地
実はそうなんですよ。
(次回に続く)
構成:萩谷美也子
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