プロジェクトマネジメント、プロジェクト管理におけるポータルサイト

HOME > プロマネの勘所 > 【インドIT研修(2)】第三回 週末を利用し、インドのあちこちへ足をはこぶ

2008年10月17日

【インドIT研修(2)】第三回 週末を利用し、インドのあちこちへ足をはこぶ

週末ごとの強行スケジュール

― それとはまた別に、旅行先でも現地の人と話をしたのですね。どんなところへ足をはこばれたのですか。週末だけでは、そんなに遠くには行けませんよね。

上高牧
そんなことないです。遠くまで行きました(笑)。

原田
かなりの強行スケジュールです。たとえば金曜の夜に研修が終わってから、夜行バスでムンバイまで移動し、朝の5時台の飛行機に乗ります。現地に朝の9時10時には着くので、丸々土日を過ごして帰って来ました。アパートに帰り着くのは日曜日の夜中ですが。

上高牧
そう、そんな感じです。

原田
日曜の深夜に帰って来て、月曜からまた研修です。

上高牧
疲れているけど、翌朝からまた勉強するわけです。

― 体力ありますね(笑)。

原田
僕は限られた時間の中で、最大限インドのあちこちに行って様々な経験をしたいと思っていました。
それを提案したら、2人とも「じゃあ行こう!」といってくれたのが嬉しかったですね。

― 普通は1人くらい、「いいよ、疲れたから止めようよ」とか言いそうですが、クラリオンズは3人の足並みがそろっていたのですね。

上高牧
1人でも欠けると、クラリオンズじゃなくなってしまうんで。原田さんは「クラリオンズは、3人で1つや!」ってポリシーを語っていましたね(笑)。行った場所は、南はチェンナイ、それとゴアへ行きました。ゴアは近いので2回行きましたね。

原田
北はバラナシとか、デリーとかアグラとか。

上高牧
カジュラホという、日本では比較的マイナーなところへも行きました。

原田
カジュラホ、良かったですよ。

上高牧
カジュラホは、実に"熱い"ところでした。クラリオンズ3人とも、良い勉強をさせていただきました。

― カジュラホの、どのあたりがよかったのですか。

上高牧
カジュラホには寺院群があって、それが世界遺産なのです。説明は・・・原田さんにお願いします。

原田
アーティスティックで妖艶な彫刻がたくさんありまして(笑)。

上高牧
その彫像はミトゥナ像と呼ばれていまして、寺院全体が、その官能的なミトゥナ像で埋めつくされているんです。写真で見ると思わず笑ってしまいますが、すごく真面目で歴史的なステキなところなんですよ!

― ああ、なるほど(笑)。

原田
白人の老夫婦もたくさん来ていましたよ。「オォ」と目を丸くして驚いていました。

― 欧米ではそれなりに有名な観光地なのですね。

一番印象に残ったのは、やはりガンジス河

原田
インドには世界遺産がたくさんあり、旅行に行った所もほとんどが世界遺産でした。ひとつだけ、ガンガーことガンジス河だけは世界遺産ではなかったですが。
ところで上高牧さんが、一番良かったのはどこだった?

上高牧
バラナシかな。

原田
ああ、僕もそうなんですよ。

上高牧
やっぱりガンジス河とバラナシが一番印象的でしたね。

原田
僕もいろいろと行った中で、一番はガンガーですね。ガンジス(ganges)は英語名。河そのものが女神 Gangamataji(母なるガンガー様)として神格化され崇拝されているため、現地では Ganga と呼ばれています。

― バラナシはガンジス河のそばにあるのですか。

上高牧
ガイドブックやテレビで紹介されるガンジス河の風景と言えば、バラナシが紹介されている場合が多いですね。非常に有名なところです。

原田
ヒンドゥー教の聖地ですね。ヒンドゥー教最大の聖地と言われる由縁は、バラナシがインドで唯一南から北へ向かって河が流れている場所で、下から上へ天に昇るイメージであるからと言われています。またバラナシのガンジス河の形状が二大神格の一人 シヴァ神の額の三日月に似ていることからシヴァ神の聖都でもあるそうです。

― そこが一番よかったというのは、どうしてでしょう。

原田
ヒンドゥー教徒にとって神聖なるその河は生活の営みの場所でもあり、生と死が交わるchaosを隆々と感じたところでした。ガンジス河で髪の毛を洗っている人、ひげを剃っている人、自分の火葬の薪代を乞う人、花売りに来る人、そのそばではお弔いをする人。そうかといえば、笑顔でクリケットしている少年。そして全て一つ一つをかみ締めながら見つめる自分。
インドに来て一番感じたこと。日本人には少ない感覚。それは生活の中のいたるところで深い信仰が根強く存在していること。むしろその区別(生活、宗教)などないと言った方が良いかもしれない。その感覚を今までで一番強く感じ取れた場所でした。

上高牧
言葉でガンジス河やバラナシを表現するのは難しいんですよ。何と言いますか、五感を強烈に刺激される地なんです。牛や犬とかが、たくさん集まって水を飲んだり、水浴びをしたり、用を足したりしているのです。正直に言うと、すごく臭いしあまりきれいなところではないのです。そのちょっと下流で人々が沐浴をしたり洗濯をしたり、たぶん水を汲んで飲んだりもしてると思うんです。人間って牛や犬と同じ動物なんやなぁと思い出させてもらったような。原田さんは、そこにカオスを感じたようですが、私も同感でした。でも一方では、考えてみると人間も動物ですし、大昔はこんな環境で生活していたのかもしれない。人間の原点に近い生活のようにも思えたんです。むしろ、こんな生活や環境の方がシンプルであって、カオスとはちょっと違うのかもしれない。日本の生活環境とはあまりにかけ離れていて完全に溶け込むことはできず、ただ傍観するのみでした。同じ時代に人間として生まれたのに場所が日本とインドという違いだけで、こんなにも生活や人生が違ってしまうものかと。いろいろな思いが浮かんでくる不思議な空間でした。そういうことで一番印象に残っていますね。クラリオンズと他の研修生2人といっしょに行きましたが、ガンジス河を歩いている時は、みんな言葉少なかったような気がしますね。多分みんな、いろいろ考えたり思ったりしながら歩いていたんだと思います。

原田
バラナシには3月の初めに行きました。乾季だったせいもあって河幅が半分くらいだったんです。それを見て、泳いで渡れる!と思い立ちガンガー横断に挑戦しました(笑)。何かあったときのために一緒に行った友達にボートで並走してもらって。さすがに自然は偉大でした。半分過ぎたところで前に全然進まなくなって、あえなく水揚げされました。また、僕は12月、1月、2月の3ヶ月間は1回もお腹を壊さなかったのですが、さすがにガンジス河に入ったら下すだろうと思っていました。なのに、それでも壊さなかった(笑)。

― ということは、かなりチャレンジャブルな行動にもかかわらず4ヶ月間1回もお腹をこわさずに過ごせたのですね。

原田
はい。

― それは、珍しいかもしれませんね(笑)。

上高牧
ほんとうに、すごいですよ。インド人も旅をしたら腹をこわすって言ってましたから(笑)。彼の先祖は、きっとインド人なのでしょう。旅の途中、日本から来た旅行者にインド人と勘違いされていましたし。

原田
本人は覚悟していたのにね(笑)。でも、お腹も壊さなかったし、カレーとか辛いものが大好きなので、現地の食生活も身体に合ったし、帰るときには「あと2、3ヶ月いたい」と思いました。

― 原田さんはインドに適応してしまったのですね。

原田
体も精神も含めて、インドは僕に合う場所かなという実感はありました。

― 上高牧さんはいかがでした。やはり無事に過ごせたのですか。

上高牧
1回ひどいことになってしまいまして。一晩中、下痢と嘔吐が止まらなかったです。「アカン…学校休むわ」と言って1日休みました。でも今となっては、良い思い出です。

原田
チェンナイで食べたものが怪しいよ。

上高牧
そうやな。

原田
みんな同じものを食べていたんですけれどね。

上高牧
私だけ体調が悪くなってしまいました。

― 1日で快復して何よりでした。

旅の中で徐々に変わった気持ち

― お話を聞いていると、ほんとうにインド生活を満喫したのですね。

原田
満喫しましたね。

上高牧
そうですね。クラリオンズにとって、旅は外せないですね。

原田
僕たち3人は、最初から気が合っていましたけれど、最後のころに深い話ができるようになったころに、上高牧さんは「俺は、本当は勉強だけしに来たつもりだったんだ。それが良い意味で狂わされた」と言っていましたからね。

― 「良い意味で狂わされた」。それはいいですね。ご自分の、なにか殻のようなものが壊れたのでしょうか。

上高牧
そんな、たいそうなことではないです(笑)。私と原田さんとは旅の捉え方も全然違うんですよ。私は最初の2、3回一緒に旅に行っているときは、楽しんではいましたが、正直「ちょっとこれでええんかな」と思っていた時期がありました。ITの勉強にもっと比重を置くつもりだったんですが、旅が占める割合が大きくなってきたんです。だんだん滞在の趣旨が変わっていくことに対して違和感があったのです。でも、ずっとそう思いながらも一緒に旅に行くうちに、だんだん考え方が変わってきました。クラリオンズで旅を一緒にしていると、なんだかすごく元気になっていく自分に気がついたのです。原田さんは「現地のインド人と交流ができて良かった」とか、「宗教に触れたところがすごく印象に残っている」と言いましたよね。私は旅を通じてパワーをもらったり、楽しめるようになっていく自分の気持ちの変化に価値を感じていました。これまで私には、原田さんともう一人のルームメイトみたいなタイプの友人はあまりいなかったのですが、彼らは「楽しむ」ことが上手で、それを教えてもらったと思っています。最終的には旅に行くことに対して、特に迷いもなくなりました。

― でも、旅行に行ったからといって、授業をおろそかにしているわけではなかったのでしょう? 

原田
もちろんそうです。旅がメインではないですから。せっかくインドという場所で研修するのだからフルに動いて人生の良い種を蒔きたいという思いが強くありました。

上高牧
クラリオンズ3人とも、力の入れ方や方法はそれぞれでしたけど、ITや英語の勉強もがんばっていたんです。勉強もがんばるし、旅とかインドの生活も積極的に楽しむ。インド研修時間を全力で使い切っていたと思います。クラリオンズはかっこいい男達なんです(笑)。ちょっと残念なのは、周りに理解されなくて、研修センターの講師やスタッフからはいろいろ言われました。

原田
ああ、予習とか。

― 予習が必要だし、宿題も出ますからね。

上高牧
「あなたたちは基本的にITと英語の勉強に来ているんですよ」「旅行もいいけど、それは第一目的ではないんだ」と言われました。会社から送り出されているので、クラリオンズは、そこはきちんとわきまえていたんですけどね。クラリオンズは、勉強に加えてさらにチャレンジしていたんです。チャレンジャーは、理解されにくいものなんです(笑)。

― なるほど。そうでしょうね。
旅行に行くには計画書を出して、OKをもらう必要がありますし、それを思うと、皆さんの上司の方々が、よくそれだけの週末旅行に許可を出しましたね。

上高牧
そうですね。てっきり「駄目だ」と言われると思っていましたが、けっこう行けました。

原田
僕も3、4回ぐらいはいいけれど、まさかそれ以上は無理だろうと思っていました(笑)。しかし、ありがたいことに社長を含め、担当部長が研修に支障きたさないのならば、どんどん外の世界を見て経験して来いという意見でした。

上高牧
結局、私の上司が一番寛容でした。全然ひっかからなかったですね。むしろ上司からは「インドに馴染んで素晴らしいじゃないですか。どんどん行きなさい」みたいな勢いで。当社からは初めてのインド研修でしたので意外でした。

― それはすばらしいですね。上司の方も、上高牧さんをご覧になっていて、何か思うところがおありだったのでしょうね。
でも男性同士で、しかも社会人になって、そんなに仲良くなって影響しあえる関係はなかなかなかできないと思います。

原田
最初にお話ししたように、人がすべてだったと思います。本当にルームメイトに恵まれました。これが違う人だったら、たぶんこの研修の印象は全く変わったと思うんですよ。よくぞ、あの部屋割りをしてくれました(笑)。

上高牧
部屋割りは、年齢で決めていったんじゃないの?

原田
そうなの?

上高牧
だって、年齢が3人とも近いから。

原田
あ、そうか。年齢か(笑)。

― それでは、お二人のお歳をどうぞ。

原田
僕は30歳です。

上高牧
今年で30歳です。インド研修時は29歳でした。

原田
クラリオンズの長(おさ)です。

上高牧
一応ねえ、年寄りやから(笑)。

原田
実際には、そういう年齢の壁はなかったですけどね。逆にそれが良かったです。

(次回に続く)

構成:萩谷美也子

| トラックバック[0件]

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://www.promane.jp/blog_manager/mt-tb.cgi/608

↑ このページの先頭へ